
The miracle stories on the Radio
糸数美樹さんinterview ②
同じ感覚で笑って怒って悲しんで
とあるリスナーからの言葉

リスナーさんのメールが面白いなぁって思うんですけど、番組が鍛えて来たんだろうなって。最初からあんなにリスナーさんのレベルが高いんですか?
糸数: うーん…でも徐々に徐々にやっぱり、県外のリスナーさんが増えてきたことも大きいかなぁって。県外のリスナーさんて、いわゆる、東京とかで流れているようなラジオにも投稿するぐらいのリスナーさんが、探し求めてゴールデンに辿り着いたっていうパターンが多いので。だから、いわゆるハガキ職人みたいな人がこっちにも送ってきている、だから面白い!だから県外の人の方が面白い!
そうなんですか!!!!やっぱ沖縄だなぁ面白いなぁって思ってたんです!
糸数: 沖縄は沖縄の人で面白いんですけど、やっぱりそういう人たちは、昔からラジオを聞いてて、ラジオばっかり、朝から晩までずっと聞いているような人たちが、やっぱり面白い。すーごい!って思います。私はあんなの書けない。
先ほど西向さんにお話を伺って、昔から本も読んでるし、映画もライブにも行くしって、すごく造けいが深いなと思ったんです。
糸数: 私も全然、毎日、楽しく生きてるみたいな(笑)学生時代は彼氏のこと、好きな人のことしか考えてない、普通の女の子だったんです、私。だから、この業界入ってきて、改めて自分薄ぺっらいなっとも思ったけど、聞いているリスナーと同じ立場だから、来たメッセージに対して、共感できるし、同調できるし、何ならアドバイスとか、ちょっと厳しい事も言うし。「これちょっと違うと思うよ」って。同じ目線で言えるっていう・・・立場かな。幸三さんがいて、しっかりして、ちゃんとした知識もあって、でも私は、そこじゃないから、その人(リスナー)たちと近いところで、寄り添ってあげたいな、というか、同じ感覚で笑って、同じ感覚で怒って、悲しんでっていうのをやりたいなという。
すごく心が優しいから。
糸数: うちの母親が、とっても、愛情深い。人として芯がすごくしっかりしていて“悪いことは絶対ダメ、でも良いことはとっても良い”っていうのがハッキリしている人だったので、そこを見て育っているからなのか、人の痛みはわかるほうだとは思います。私の周りの友達を見ていても、自分が一回痛みを味わうことで、人の痛みがわかる。そういう人って、とても魅力的なんですよね。私もそういう人になりたいと思うし、そういう人と一緒にいると、自ずと、そうなってくるのかなぁって。そういう人でありたいし。
お母さんはラジオを聞いているんですか?
糸数: 聞いていますね。うち、実家が自営業なんですけど、中古車販売していて。そこの事務所で毎日、FM(沖縄)が朝から晩までずっと流れていて。父親も母親も聞いてて「あぁ、こいつ、最近こんな感じなんだ」っていうのはラジオでわかってると思います(笑)下ネタとかも言うけど、家で家族に面と向かっては、恥ずかしくて言えないけど、ラジオだったら、全然、ネタの一つくらいで(笑)「お前があんなこと言ってから、ハッサ」(※ハッサ=ああ、もう)って(笑)でも、嬉しそうに話すので、私がやっている仕事を耳で聞けるのも、親孝行してあげられているから、とっても嬉しそうにしてくれるので。「この前さ、〇〇銀行に行ってからよ、あそこの支店長がよ、あんたの話、してたよ!」って、とっても嬉しそうに言うので、ある意味これも親孝行できてるのかな~とか思いながら。元気に仕事してることが今一番いいのかなって思ってます。
やってみたら、ラジオが面白かったっていうのは、どのあたりですか?
糸数: 一番最初に言った、マイクテストのときの、まーちゃんさんとの掛け合いが、とっても楽しかったっていうのもあるんですけど。やっぱり、リスナーさんとの距離が近い、で、一見、一方的に喋りかけてると思いきや、すごい繋がりが近くて。この仕事をやっていて良かったな、改めて、意味があるんだなって思ったのが・・・あるリスナーさんに会ったとき「育児ノイローゼになってこの子と一緒に死のうと思ったけど、ラジオを聞いて馬鹿馬鹿しいと思った」って。なんで私、こんなに悩んでいるのかわからん!って!(ラジオの)この人はこんなに笑っているのに、なんで私は笑ってないの?ってなったみたいで、それで思いとどまったって言われて。泣きながら握手をしてくれた方がいたんですよ。私それを聞いたときに、ちょっと感動して・・・
涙が出ますね。
糸数:(泣きそうになりながら)そう・・・。今、めっちゃ堪えているんですけど。それぐらい私の仕事には影響力があって。大きい話ではないけれど、人の人生に影響する時間は与えられているんだなぁって思ったときに、あぁ、私はこの道をもうちょっと極めないといけないなぁって。あぁ、良かったなぁって。こういう人たちがいるんだったら、頑張ろうって思いますね。2時から4時の間、仕事が苦痛で、お昼を食べた後じゃないですか。「もう、しんどいけど、この時間だけは、楽しいから仕事を頑張れてます」とか言われると、あぁなるほどね!こういう人たちもいるんだ!頑張ろう!みたいな、糧になりますよね。
逆に、ツライことってありますか?
糸数: ありますよ!!!めっちゃいっぱいある!!まぁ、上司が上司なので(笑)
(笑いながら)それは西向さんのことですか?
糸数: そうですね(笑)やっぱ、とっても厳しいし、それがある意味、今の私を育ててくれたっていうのもあるんですけど。あの、ほんっとに色んなことがあって、辞めようと思った時期もありました。もう、いい。こんなに、しんどい思いをするんだったら、もう嫌だって。ちょっとプチ事件があったんです。だけど、それを支えてくれた人が、このFM沖縄の社内にいて。その方に助けられて、私が何かあって、ドーンと落ちたときに、また戻してくれる人が、いつもいたんですよ。その人たちのおかげではあります、間違いなく。やっぱりメディアに出ている人間だから、色々ね、あることないこと言われたり、することもありますけど。それを上回るぐらい、周りの人に恵まれているので、感謝して。どうにか(番組も)7年目を迎えております!(笑)
そんなミキトニーさんは、想像がつかないんですけど。
糸数: あんまりクヨクヨ悩むタイプではないんですけれど、1回ぶわぁーーーって泣いて、よしっ!次!みたいな感じにはするので。
西向さんとは、どういう風に方向性を合わせていくんですか?とにかく付いていくっていう?
糸数: もうもう!ディレクターなんで、意見は言えない。絶対的な存在です!結構・・・言ったら、アレですけど、ワンマンです、かなり(笑)何回、それで、みんなが“チッ”ってなったことか(笑)だけど!その強さがないと、番組は成り立たないと思っているので、そこはもう、下はじゃあ従いましょう、と。正直、意見は言えません。でも、私も“がーじゅ”(頑固)なので・・・舌打ちして(言うことを)聞かない!その意見は聞かない!って(笑)でも、思ったことは言いますけど、最後の最後は。でも私は、こう思うから、って言いますけど、それは最後の砦ぐらいな感じで。あんまりスタッフの意見は反映されていないと思います。だから本当に、リスナーに支えられている番組ですね。