The miracle stories on the Radio
西向幸三さんinterview ④
後ろ向きな性格なので
必ず最悪な方向を考えて
仕事をするんです

聞いていると、凄くリズムが面白いです!他の番組にはないですよね。音として心地いい。礼儀とか、そういう事じゃなくて。だから凄いなぁって。
西向: やっぱり県外の人は何を喋っているのかわからないって言われますけれど、うちなーぐちは普通なんです。これだけ色々混ぜて喋ると、はじめは県外の人は2人が何を言っているのかわからない、っていうのは、よく言われていて(笑)。まぁ早いですしね、私たちテンポも。そこは聞き取りにくいところもあるかもしれません。
2010年に始まって、6、7年経ちました。賞もとりました。今後、番組はこういう方向で行こうというのはありますか?
西向: そうですね…、時々、糸数さんを始め、スタッフとも話しをするんですけれど。私はもともと後ろ向きな性格なんで、必ず、最悪な方向を考えて仕事をするんです。いつかゴールデンも(終わる)っていう時代も来るでしょうし、今やっていることが本当に面白いのかな、もしかしたら、リスナーに飽きられているかもしれないし、どうなんだろうって。特番をやったり、別の企画をやったりするときに、いつもみんなに聞くんですよ。「これ、面白いかな?」って。私は面白いと思っているけれど、糸数さんや他のスタッフも、これを面白いと思っているのか?じゃあリスナーにもこの面白さは伝わっているのか?僕らが面白いと思っていても、リスナーに伝わっていなかったら何の意味もないので、どうなんだろうって思いながら、毎回毎回、考えながらやっていますね。ただ、ラジオってマンネリも大事で、でも、その偉大なる“マンネリズム”をどう作るか、っていうことをやりつつ、その一方で、だからこそ許される新しいこと。まぁゴールデンだからここまでやってもいいよね、ってみたいなことはなっているので、どこまで新しいトライができるのかな。だから、少しずつ、ちょこちょこっともちろん内容は変わってますしね、番組当初とは。2年前と違えば、6年前とも違うし、放っておいたって変わっていくし、リスナーもどんどん新しい人が来て、しばらくいなくなってみたいな事を繰り返しているので。そういった意味でも内容は変わってきてますから。まぁ、倦まず、弛まず、媚びず、奢らず、やる、作り続けるしかないと思っています。
今後のラジオについては、どうお考えですか?この“ゴールデンアワー”が一つの答えだと思うんですけれど、この先ラジオはますます小さくなるんじゃないか、みたいな意見もありますよね。
西向: もちろん、このラジオっていうハード自体が、もうすでに若い子たちにはわからないわけで、ラジオを触ったこともない、チューニングの仕方がわからない、っていう子たちもたくさんいるし、現実として。ただ、沖縄の場合、助かっているのは、車社会だから、車の中でラジオを聞く機会があるっていう事ですよね。例えば、朝、学校に送るときに、お母さんと一緒にラジオを聞いているっていう声をよく聞きますし、塾に行くときに聞いているっていう声も聞きます。今までラジオを聞いて来なかった子が営業を始めて、営業車の中で聞くようになりました、っていう声も聞きますから。そういう意味では触れ合う機会はあるわけですよね。と同時にスマートホンの中にも入っていかなきゃいけないっていう現状ですよね。radikoもそうですし、らじるらじる、どこでもFM、LISMO WAVEでも。ハードが変わっていっても触れる機会は増えていってるんじゃないかと。
ラジオっていうのも、音声コンテンツとして面白いものを作れば、何かしらの答えは出てくるんだろうと。それはどういう形で聞かれるのかは、わからないですけど、そこは絶対に可能性として残っていますし。逆に言うと、10代、20代の若い子がラジオを聞いていないのであれば、それをつかまえたら大きいじゃないですか。他局が聞かせられないんだったら、うちが聞かせて、それをマーケットとして広げていければ、可能性は広がる。大変な仕事だと思ってますけど、やり甲斐がある、チャレンジし甲斐のあるところなのかなぁって思いますけどね。
お二人の方向性の違いとか、そこは違うんじゃないか!とか、結構揉めたりすることはありますか?
西向: まぁ、ありますよ!
糸数:(食い気味で)なーっ!ないですよ!ディレクターですから!!従うまでです!!!
西向: あははははは(爆笑)感覚は相当違うので、糸数さんが言ったように、僕がこんなのをやりたい!って言ったらやってくれるし、ただ、44の男性と30の女性との感覚のズレは如何ともし難いですけど、逆にそれが面白い。まぁ、放送中にちょっとあれ?って思ったことは、翌日、こんなだったけど、どうだった?って擦り合わせじゃないですけど、じゃあ次こうなったら、こうしようって、話はしますけどね。
スタッフは何人でやってるんですか?
西向: 2人喋り手の、ミキサー兼ディレクターが1人。ADが1人。基本的にはこれです。あとはコーナーによって別の方にお願いする。
月~金、同じメンバーなんですか?
西向: 一曜日だけ、別のADが入って、だいたい同じですね、この4人。あとはコーナーで誰かが入ってくる。
今後、西向さんみたいになりたい!っていう人に、どういうアドバイスをされますか?
西向: いつも言っているんですけど、ラジオだけにとらわれないで欲しいんですよね!ラジオが大好きで、ラジオでこんな事をやりたい!ってラジオに(一直線に)こーなってしまうのもいいんですけど。それよりは、色んなことを経験しているほうが面白いですから。私もオーディションで採用する立場になる時がありますけど、やっぱりそういうところを見る。とりあえず法に触れない範囲で、やれることは何でもチャレンジしてほしいなぁと。それが絶対に生きてくる。特にフリートークにはそれがもろにでますんで。かっちりとしたニュース報道がやりたいんであれば別ですけれど、いわゆるラジオのエンターテイメントでやる!っていう意味では、やっぱり色んなことを経験して、本は何でも読んで、音楽は何でも聞いてください。っていうところですかねぇ。