top of page

栗原治久さんinterview ⑥

~栗原さんが拓く次の扉~

栗:  これまでで番組の作り方とかは、ひととおりある程度把握できたような気もするし、結局、ラジオのソフト面の究極は、やっぱりパーソナリティだ!というところに行き着いたので、だから自分への興味としては、自分のパーソナリティをどこまでラジオというツールで発揮していいか、今、そっちに興味があるかなぁ…。

 

”僕はどこに貢献させてもらったらいいんだろう”というのが次のテーマかと思ってます。僕は、横浜に根をはったつもりでいて、おかげさまで、Fヨコで神奈川県には一番詳しいDJだと思うんです。もちろん詳しいっていったらフジタ君とかホズミンとかいるけど。要は横浜の経済界というか、この町のお金の仕組みとか、役所の成り立ちとか、そういうのはある程度把握しているつもり。港湾のこと、教育のこと、地理のこと、政治の駆け引きのこととかも、ひととおり勉強してきたつもりです。広い意味での僕のパーソナリティは“神奈川県のディスクジョッキー”というゆるぎないパーソナリティがあるんですね。で、もう一個のパーソナリティは、“音楽をかけるディスクジョッキー”。あなたはなにを話す人ですか?と聞かれたら「神奈川県の今を話す自信はあります」というのは、臆びれることなく言える自分のパーソナリティ。そこでいくのか、なにかもっと違うお話をする人でいくのか、もしくはなんといったらいいかな…地元のいろんな人と知り合っていろんな人に情報をもらったことを、僕はどういう形で返したらいいのかなということをすごく考えていますね。

 

それは番組以外の場でということですか?

栗:  うーん…もしかしたら違うステージが。なんか違う形で返すときが来るかもしれないなと。

 

政治家とか?(笑)

栗:  政治はやらないですね。無理!身体検査でひっかかるから(笑)経済活動なのか、奉仕活動なのか、わからないけれど。

”神奈川を一番知るDJ”として思い描く未来の神奈川のラジオの姿

栗:  まず、ステーションの数が増えること。競争の原理を発揮させることですね。要は、町でパチンコ屋さんが一店舗しかない状況ですから、出玉が出るも出ないもその店だけじゃないですか。そうじゃなくて、まず、ライバルがいるということですね。もしくは、FMヨコハマが第二チャンネルを作ること。Fヨコが資本でいくつも作ってもいいし。若い人にウケるには、やっぱり若い人向け放送をしないといけないから。ちゃんとマーケットしないといけない。「FMヨコハマ」というひとつの放送帯で、ぜんぶの世代をカバーするのは到底無理なので、そこは割り切ること。なので、局を最低でもふたつ作って、アダルト層とヤング層と局を分ける。それがだめなら、さっき言ったようにメディアミックスして、youtubeに若い人を振り分ける。とにかくターゲットとする世代を分けないと商売的にもだめじゃないかなと。で、徹底的にローカリズムに走ることですね。要は、情報ありきで、情報と音楽、もう徹底的に、地元の人になくてはならないメディアに本気で立ち向かうことじゃないですかね。大体、なにを話していいかわからないから、テーマとか決めちゃっているわけじゃないですか。

 

今日のお題は○○みたいな?!

栗:  そうそう。今、これだけ時代が変わって、安保だの尖閣だのという殺伐とした時代に来ているのに、今日のお題は、“最近、ハマったこと!”という人をマーケットしちゃっている自覚がないんです。この過敏な時代に、そういうことは知らなくてもいいから、“今日一番したいこと”とかで集まりたい人たちを集めているじゃないですか。それをやるってことは、集めちゃっているんですよ。そこにまず気付いているかどうかということなんです。

 

売上げを上げたいとかCM取りたいとか言うんだったら、現実的に、神奈川の有力企業から出資をつのらないといけないですね。そういう人たちを説得させるには、すごく神奈川の世論とか政治とかにリンクしていないといけないわりには、そこに立ち向かっていないんです。だから、本気でいく気があるんですか?と思うんですよね。今、神奈川で、本当に神奈川に敏感で、神奈川のために生きて、神奈川のために投資をして商売をしたいというような人たちに納得してもらう放送というのは“神奈川の今”を本気で伝えるメディアなんじゃないかなって。そのためにやるのは、例えば今でいったら、傾斜したマンションとか、箱根山のこととか、ハロウィンでどこに何人いるとか…、まずそこやろうよと思いますよね。それで、「今日ハマっていること」とかは若い人たち向けに、AKBとかキスマイとかかけながらやったらいいと思います。でもどっちつかずでキスマイかけて、一生懸命取材してきたって、エネルギーがもったいないと思うなぁ。

 

本気で神奈川をこうしたい!と思う人たちに、しゃべらせたらいいと思う。で、そういう人たちが曲紹介できないんだったら、その人はその人、曲紹介は曲紹介でやったらいいと思います。それから制作会社は、一日3社でいいと思います。制作会社は、午前・午後・夜帯で各社が担当して、DJが入れ替わればいいと思う。あとはトークもトーク術とか原稿とか、ずっと統一したアイデンティファイされた文章が一日通して流れること。ぶれない。“FMヨコハマ”の人格というのが、ひとつ統一されたしゃべり方であって、徹底的にぶれない「核」をつくるべきだなと思います。

 

 

栗原さんのお話はとにかく勉強になることばかりでした。ラジオについての知識はもちろん、仕事をする上で必要と思われること、それは喋る技術はもちろんですが、地元にしっかり向いて放送すること、そのために学ぶべき仕組み、築くべき人脈etc。さすがだなぁ…とため息をつくことしばしばでした。まだ想いがうまく言葉にできませんが、栗原さん、ありがとうございました!つきなみですが、これからのご活躍を楽しみにしております。

 

 

© 2015 by Shiho Watanabe, Proudly created with Wix.com

bottom of page